2007/10/01(月){O, N, K} @ B4
なんか,一週間前に聞いた中間発表のタイトルとは違っている人多数なんだけど...
みなさん,結局こっちにしたいの?
人間の問題解決過程理解のためのACT-Rモデリングに関する研究 O@B4
人間の脳の高次脳機能をACT-R上でモデル化しようという試み.
現在のところ,2桁+2桁の加算問題をモデル化しようとしている.
モデル化し,実際にACT-Rでシミュレーションした結果を表として表してはいたものの,小さすぎて見えませんでした...*1
実際に人間が同じ実験を行っているので,その実験とシミュレーションを比較することが今後の課題.
ACT-R
Adaptive Control of Thought-Rationalの略.
カーネギーメロン大学のジョン・R・アンダーソンらによって開発されたもの.
脳機能毎にモジュールを持つ.
現在提供されているモジュールは,Goal, Declarative, Imaginal, Aural, Visual, Manual, Vocal, Proceduralの8個.
Proceduralを中心に,他のモジュールが連結されている.
Goalに目標状態を設定し,他のモジュールに知識や刺激を入力することで,Goalを達成するまでの手続きをシミュレートすることができる.
計算過程
4ステップで実現している模様.
- 数字の認識
- 1の位の計算
- 桁上げ
- 10の位の計算
コメント
Z
- スライドの作り方に関して
- 括弧の前後のスペース
- 参考文献の書き方\author, ``title'', booktitle, publisher, Vol.x, No.x (year) pp.s-e.
- 医学,解剖学等の用語について\言いたいことは分かるけど,できるだけ今回のイメージにあったものを使って欲しい.
O
ACT-Rは確かに脳のシミュレーションをすることができるが,結局は人間の与えたモデルを元に動作をシミュレートしてるに過ぎない.
人間の計算における,"間違い"をどのように実現するか.
間違えた知識を与えれば確かに間違えるけど,それは知識として間違えているので,"うっかり間違える"といったことをシミュレートすることができない.
乱数で実現するにしても,それは違う気がする.
短時間で急いで計算すると間違えるけど,じっくりやると間違えない.
脳で行われている検算というものを再現できるとより人間らしくなると思う.
それには,単に計算x+y=zを知識としてもつのではなく,数学的な知識をモデル化する必要があるのかもしれない.
計算はそれほど単純ではない.
今回使っている計算モデルはあくまでの数学における理論的な計算方法.
9を10-1とばらして計算する場合もあれば,10の桁から計算する場合もある.
ACT-Rは確かに素晴らしいツールかもしれないが,現状では過剰な期待はできない.
推論によるマイニングのための属性分析に関する研究 N@B4
データマイニングにおける問題点は,データマイニングにかける属性はあらかじめ人間が選択していることにある.
ある程度関係がありそうだという属性しか分析の対象にしていない.
与えられた属性を分析し,情報の粒度の調整や背景知識を元にした新しい属性を生成することで,もう少しまともな知識がでるかもしれない.
背景知識は,宣言的知識(意味ネットワークを利用),手続き的知識に分けられる.
宣言的知識は,単語間の関係(IS-A)やその単語が要素として持つもの(PART-OF, HAS-A)を表している.
- なすは野菜である.
- キャベツは野菜である.
など.
手続き的知識は,特定の手続きにより,新たな属性を生成できるような知識を表す.
- なすとキャベツの売り上げを合計すると野菜の売り上げを得られる.
- 現在の西暦から誕生年の西暦を引くと,その人の年齢が得られる.
など.
属性間の演算はある程度絞り込む必要がある.
西暦に乗除は無理がある.
この当たりを手続き的知識として保存する必要がある.
現在,これらの知識を既存のデータベースから自動的に得るための方法を考えている.
コメント
Z
単位,演算方法に関しては,スケール分析などの研究もある.
必要なら参考にすること.
O
上記の手続き的知識は種類が異なるのでは無いか?
新たな属性を作成すると一言で言っているが,属性の作成(野菜+野菜=野菜の総売上)と属性の変換(昭和+1925=西暦)は異なるもの.
ひとまとめにしないほうがいいのでは?
無闇に知識を1つの知識ベースに保存すると探索範囲が広くなりすぎる.
うまくカテゴリ分けして欲しいところ.
さすがに,なすとかキャベツとか言われたとき,天体を連想する人はいないでしょう.
粒度の調整が難しいところ.
- キャベツ -> 緑黄色野菜 -> 野菜 -> 食べ物
- なす -> 野菜 -> 食べ物
- 鶏肉 -> 肉 -> 食べ物
共通部分である食べ物,まで持っていくか,野菜で止めるか.場合によっては緑黄色野菜で止める必要もあるかもしれない.
分散Web推論エンジン構築の為の協調に関する研究 K@B4
推論エンジンを分散・協調させるための研究.
とりあえず,ソケットを使って複数台で通信を行うことはできる.
テストと言うことで劣化HTTPプロトコルを実装.
今後,KQMLなどagent間通信用言語の実装なども考える.
コメント
Z
- 推論エンジンの問題点などを正しく理解できていない.
- 単なる分散推論だけではなく,ウェブサービスを意識して欲しい.*** O
全体像を理解していないのか,よけいなお話が多かった気もする.
プログラミング的なお話,セマンティックウェブのお話は今回の研究では直接関係無いのでは?
実際に作成する分散推論エンジンの全体像,設計をはやいところ確認したい.
なんか,根本的に必要なものが見えていない気がする.
単に動作するプログラムが欲しいのではなく,今後拡張できること,ほどほどの柔軟性も重要.
ソケット通信などは一応動くようにはなった模様.
全体像が見えてないため,ちょっと行き当たりばったりなプログラミングが気になる.
後々,一からコーディングしなおすことになりそうな予感.
総評
一応ほどほどに研究は進んでいる模様.
研究のテーマに関する全体像が無かったのが残念.
研究の全体像を図示し,今現在行っている部分を明確にしてほしい.
あと,プログラムなどを作成するにしても,その設計,目標も明確にして欲しい.
何を作りたいのか伝わらないことがある.
中間発表は5分程度.
一度くらいは練習しておいたほうがいいのでは