旅に出よう、滅びゆく世界の果てまで。
2008/12/04
喪失症という病気にかかった世界?でのお話。面白かったです。最後まできちんと通して読んだ小説としては久しぶりかも。
喪失症にかかると名前を失い、色を失い、最後には存在が消えてしまう。固有名詞が存在するものにはどのようなもの*1でもかかる模様。そのような世界で、喪失症にかかった少年と少女がスーパーカブで2人で当てのない旅をするお話。
社会が成り立たなくなり崩壊しつつある世界で、絶望することなく生きている人たち。そんななかで、少年少女が旅をし、いろいろな人と出会いわかれていく。「キノの旅」を連想する感じだけど、こっちは平穏な世界を前向きに生きていこうとする感じかな。
もしかしたら、ある意味、古代文明以前の名前をつける習慣が付く前の世界に近いのかも知れない。