2008/02/06(水)論文の書き方

必ずしもこのような書き方が良いとは限らないが,論文の書き方が分からなければ参考になると思う.

最低限守って貰いたいこと

  • 起承転結を守る.
  • 前の文を踏まえた上で次の文を書く.\接続詞が抜けてたり,話が飛んでたりすると言いたいことが分からなくなる.
  • 一般論と研究における前提条件を切り分ける.\一般論説明中に,「本研究では○○とする」と入れない.はじめか実験設計にまとめる.
  • だらだらと説明をしない.例は必要最小限に.
  • 研究が進められている.○○と定義されている.などの場合,その出所となった文献を提示すること.\ただし,学生の書いた論文は信用できないので注意.
  • 思いこみは書かない.必ず確認すること.\ただし,(以下略)
  • 曖昧な表現はしない.
  • 口語体で書かない.
  • 他の人に読ませる前に自分で読む\できれば,一晩おいた後,他人の論文のつもりで読む.

全体の構成

はじめに(起)

研究の背景や目的,必要性,関連研究などを述べる.
関連研究は量が多ければ別章立てをする.
今回の研究における前提条件などあればまとめる(本研究では○○のために,○○を利用し,○○を行った).

ここで,背景と問題点,それを解決するための手段を簡単に述べる.
また,実験等を行っているのなら,実験における制限などを簡単に説明する.

基礎(承)

研究の基礎となる部分の紹介・説明.
あまり例を多用せず,文献を引用しながら説明する.
一般論を述べ,実験などにおける制約や条件等は述べない.

問題点などがある研究・提案手法の元となる研究に対しては,何が問題であり,どのような拡張が必要であるか述べる.

提案(転)

基礎を踏まえた上で,どのようにすれば問題点を解決できるか述べる.
理解を促すために例を用いるのは仕方がないが,例が大半を占めることがないようにする.

また,1ページに収まらないような長い例を載せる必要がある場合は,付録として本文の後に回す.

実験・シミュレーション

実験などを行った場合,その設計,結果,考察を述べる.
設計は他の人が後日論文読んだとき,同じ実験を行えるよう,過不足無く説明する.
結果は説明に必要な部分を適切に抜粋する.
考察は結果より分かることを客観的に述べる.

また,1ページに収まらないような実験結果を(以下略)

まとめ(結)

提案・実験・シミュレーションを踏まえ,本研究において行ったことをまとめる.

また,今回の研究で新たに分かった問題点,未解決部分などがあれば,展望・今後の課題として述べる.
解決策等のヒントがあれば合わせて述べる.

文章の書き方

  • 略語を使う場合は論文中で初めて使うときに説明を入れる.(以下,○○と略す)
  • 表現方法は統一する.基本的に「だ・である」で書く.「です・ます」ではない.
  • 「思う」ではなく,「考える」.
  • 表現のゆらぎに注意する.
  • 句読点を統一する.「,.(全角)」「, . (半角)」「、。」
  • 全角文字のギリシャ文字や記号等を使わない.\wordであればSymbolやMT Extra,TeXであれば数式モードを活用する.